「児童福祉施設や障がい者支援施設などの社会福祉法人もIT補助金は活用できる?」「社会福祉法人の現場ではどのITツールがIT補助金の対象になっている?」このような疑問や不安に直面する社会福祉法人も多いのではないでしょうか。
介護・福祉の現場では人材不足の問題が深刻化している状況です。このような業務課題解決の手段として、注目されるのがIT補助金(IT導入補助金)の活用によるITツールやシステムの導入です。IT補助金(IT導入補助金)の活用で導入コストを抑え、業務効率化・労働時間短縮化を実現できます。
この記事では介護・福祉事業の社会福祉法人向けにIT補助金(IT導入補助金)を活用する方法を詳しく解説します。社会福祉法人が導入できるITツールやソフトウェアを紹介し、IT補助金(IT導入補助金)を利用する際の注意ポイントもまとめましたので、ぜひ参考にしてみて下さい。
社会福祉法人でIT補助金(IT導入補助金)を利用できる事業者・介護業者と有利な条件
老人保健施設・児童福祉施設などの社会福祉法人の多くは、「限られた人数で事務作業をこなしていくのが難しい」といった問題を抱えています。そんな時に有効活用したいのが、国のIT導入補助金です。
ここでは、IT導入補助金の利用対象となる事業者・審査で有利になりやすい条件・社会福祉法人向けのIT導入補助金で使える3つの申請枠についてわかりやすく解説します。
IT導入補助金を利用できる事業者・介護業者
IT補助金は中小企業や小規模事業者をはじめ、介護事業所や社会福祉法人も対象となっています。IT導入補助金の対象となる介護・福祉関係の事業者は以下の通りです。
事業者の区分 | 事業・施設・サービスの種類 |
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社会福祉法人が運営する介護・福祉施設・事業 ※社会福祉法人運営の介護・福祉・保育事業など全般で活用できる | ・特養 (特別養護老人ホーム) ・ケアハウス (経費老人ホーム) ・グループホーム (認知症対応型共同生活介護・障害者グループホーム) ・障がい者支援施設 ・児童養護施設 ・保育所・認定こども園 ・サ高住 (サービス付き高齢者向け住宅) ※サ高住は社会福祉法人以外に医療法人や株式会社などが運営するケースもある |
介護保険サービスを提供する事業所 ※社会福祉法人には該当しないNPO法人や医療法人も対象事業者となる ※法人格を問わず対象 | ・老健 (介護老人保健施設) ・訪問介護 (ホームヘルプ) ・通所介護 (デイサービス) ・短期入所 (ショートステイ) ・訪問看護ステーション ・ケアマネ事業所 (居宅介護支援) ・小規模多機能型居宅介護 (中重度の要介護者が在宅での生活を維持できるように支援するための小規模な居住型の介護施設) |
福祉サービス事業者 ※高齢者向けに限らず、子ども・障がい者支援分野も対象 | ・地域活動支援センター ・就労移行支援事業所 ・障害福祉サービス事業所 ・児童発達支援・放課後等デイサービス |
教育・保育関連事業 ※保護者への連絡業務の効率化など、保育士の業務負担軽減などの目的で活用 | ・保育園 (認可・認可外) ・学童クラブ ・放課後児童健全育成事業 ・認定こども園 |
「介護職員等特定処遇改善加算」に該当していれば、審査において有利
IT導入補助金を活用するには、必要書類を事前に準備して公募期間内に申請手続きを行い、審査をクリアしなければなりません。国の公的な補助金制度であるため審査のハードルが高く、申請数が多ければ多いほど競争率が高くなります。
審査では採択率を高めるための仕組みとして「加点項目」があります。
介護事業を営む社会福祉法人などの事業者が「介護職員等特定処遇改善加算」に該当している場合は、審査でプラス評価となり、審査において有利になります。
介護職員等特定処遇改善加算とは
「介護職員等処遇改善加算」とは
2019年10月から開始された、勤続年数10年以上の介護福祉士の処遇改善を図るために設けられた制度。
具体的には実務経験やスキルの高い介護職員の賃金引上げを目的としており、質の高い介護職員の人材確保と定着を図り、国が介護報酬に上乗せして支払う仕組みとなっています。
補助金の審査で有利になるだけではなく、実務経験やスキルの高い職員の給与引き上げを実現できるため、離職率を防ぎ定着率が上がりやすくなります。
加算されるための要件として、昇進・昇給のルールを明確化したキャリアパス制度を導入して研修・休暇制度の充実を図り、ICT (情報通信技術) を導入するなど、働きやすい職場環境作りに注力していることが挙げられます。
実務経験やスキルの高い介護職員を中心に賃金改善を行い、他の職員にも一定の割合で配分し、賃金改善の配分ルールを守ることで、審査では加点がつく要素となります。
社会福祉法人で申請可能な3つの枠
2025年度のIT導入補助金で、介護・福祉事業などの社会福祉法人を対象とした申請枠は以下の通り3枠です。
- 通常枠
- インボイス対応類型
- セキュリティ対策推進枠
各枠の主旨や目的について詳しく見ていきましょう。
●通常枠
IT導入補助金の通常枠はもっとも利用しやすい一般的な申請枠で、業務効率化や生産性向上を目的としたITツール・クラウドシステム・ソフトウェアが補助対象となっています。
主旨・概要 | 自社の業務課題やニーズに沿ったITツールの導入費用を補助して業務効率化・労働生産性向上を支援 |
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補助の対象となる事業者 | 中小企業・小規模事業者等 |
補助額上限 | 1プロセス以上 5万円以上150万円未満 4プロセス以上 150万円以上450万円以下 ※1種類以上の業務プロセスを保有するソフトウェアを申請すること(ただし、汎用プロセスのみ単体での使用は不可) |
補助率 (補助割合) | 1/2以内・2/3以内 ※3か月以上「地域別最低賃金+50円以内」で雇用する従業員が全従業員の30%以上であることを示した場合の補助率は2/3以内 |
対象となる経費 | 【ソフトウェア】※必須 ・ソフトウェア購入費用 ・クラウド利用料 (最大2年分) 【オプション】 ・機能拡張 ・データ連携ツール ・セキュリティ 【役務】 ・導入コンサルティング ・活用コンサルティング ・導入設定・マニュアル設定・導入研修 ・保守サポート |
対象となる事例 | ・介護記録ソフト (入力作業の業務効率化) ・勤怠管理システム( 勤務状況・シフト管理を可視化) ・請求・会計ソフト (請求・会計処理の自動化で経理にかかる手間を削減) など |
●インボイス枠 (インボイス対応類型)
IT導入補助金のインボイス枠は、2023年10月から始まったインボイス制度への取り組みをサポートする制度です。主に請求書などの経理処理をインボイス制度に対応したシステムの導入が対象となっています。
経理事務にかかる労力の負担を軽減しながら、税制改革の対応を円滑に進めることができます。介護施設などの社会福祉法人でも請求・会計業務の効率化を実現できるため、インボイス対応類型の申請数は今後ますます増加することが予測されます。
主旨・概要 | ・インボイス制度に対応した会計・受発注・決済機能が搭載されたソフトウェア・ハードウェア・PCなどの導入費用の一部をサポート ・インボイス対応を強力に推進することが目的 |
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補助の対象となる事業者 | 中小企業・小規模事業者等 |
補助額上限 | 10万円以下 (PC・タブレット等) 20万円以下 (レジ・券売機等) 50万円以下 50万円超 ~ 350万円以下 |
補助率 (補助割合) | 中小企業3/4以内・小規模事業者4/5以内 1/2以内 (PC・ハードウェア等) 2/3以内 (補助額が50万円超の場合) |
対象となる経費 | 【ソフトウェア】※必須 ・インボイス対応の会計・受発注・決済のうち、1種類以上の機能を有するソフトウェアであることが条件 ・ソフトウェア購入費 ・最大2年分のクラウド利用料 【ハードウェア】 ・PC・タブレット・プリンター・複合機・スキャナー・モバイルPOSレジ・券売機・POSレジ ※ハードウェアのみの申請は不可 【オプション】 ・機能拡張 ・データ連携ツール ・セキュリティ 【役務】 ・導入コンサルティング ・活用コンサルティング ・導入設定・マニュアル設定・導入研修 ・保守サポート |
対象となる事例 | ・インボイス対応の請求書発行システム (請求業務の効率化) ・会計ソフト (経理処理の自動化でミスをなくし作業時間の短縮化)など |
●セキュリティ枠
介護・福祉の現場では、重要な情報が外部に漏れないようにするために、万全なセキュリティ対策も重要です。IT導入補助金のセキュリティ枠は、機密情報漏洩・サイバー攻撃・個人情報の流出などのリスクへの対応を強化するための申請枠です。
補助金活用で万全なセキュリティ対策を行うことで、法人としての信頼性を高める効果も期待できます。
主旨・概要 | ITツールやサービスを活用して安全な運用を継続できるように万全なセキュリティ対策への取り組みをサポート |
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補助の対象となる事業者 | 中小企業・小規模事業者等 |
補助額上限 | 5万円以上150万円以下 |
補助率 (補助割合) | 中小企業1/2以内・小規模事業者2/3以内 |
対象となる経費 | 【ITツール・サービス】 ・ITツールの導入費用およびサービスの利用料 (最大2年分) ※IPA (独立行政法人情報処理推進機構) の公式サイト「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に掲載され、かつIT導入支援事業者から登録されたITツールが補助の対象 (情報セキュリティ・監視・見守りサービス) ・保守サポート |
対象となる事例 | ・セキュリティソフト (ウイルス防止対策・不正アクセス防止対策など) ・ゼロトラスト型のアクセス管理システム ・情報の漏洩やサイバー攻撃を防ぐためのセキュリティ対策に特化したITサービス など |
IT補助金(IT導入補助金)を活用!導入できるITツール(介護業種固有の機能を持つソフトウェア)
介護・福祉事業を営む社会福祉法人がIT補助金を活用する際には、各事業者の業務課題・目的・用途に応じて最適なITツールを選定することが重要です。
ここでは、実際に介護・福祉の現場で活用されることの多い代表的なITツールを以下のカテゴリ別に、各ツールの特徴やおすすめポイントを解説します。
- 記録支援ツール
- 勤怠・シフト管理ツール
- 請求業務・会計管理ツール
- 連絡・情報共有支援ツール
- 見守り・IoTツール
記録支援ツール
介護・福祉の現場では、施設に日帰りで来所するデイサービスの利用者や、入所者の体調やケア内容をその都度記録して、適切に管理しなくてはなりません。手書きのメモなど紙ベースの作業だと時間と労力がかかる上に、記載ミスや紛失するリスクがあります。そのような業務課題を解消できるのが記録支援ツールです。
記録支援ツールを導入することでPC・スマホ・タブレットでの入力作業がスムーズになり、保存したデータを一元管理できます。記録作業にかかる時間と労力が軽減され、職員の精神的な負担が軽くなり、その分デイサービスの利用者や入所者とのコミュニケーションの時間が持てるようになります。
ほのぼの
「ほのぼの」は、介護記録から請求・見守りまでワンストップの介護システムで、介護・福祉業界での導入実績は72,000件以上にも達しています。
介護記録を転記する作業の手間が省けて職員間での情報共有もスムーズです。
「ほのぼの」シリーズの介護システムはソフトウェア使用権を5年間で導入する方式であるため、ソフトウェア関連の費用対効果の予測がしやすいのもおすすめポイント。
カイポケ
「カイポケ」は、居宅介護支援・通所介護・訪問介護 (介護・障害福祉)・訪問看護・通所リハビリ・デイケアの事業分野において、全国各地で50,000以上の福祉・介護事業所で活用されています。
主な機能はレセプト (診療報酬明細書・介護保険請求)・記録機能・帳簿機能で、PC・タブレット対応です。
初期費用0円、月額料金は施設の特徴や用途に応じて5,500円 (税込) から27,500円 (税込) のリーズナブルな料金体系です。PCの台数・職員の人数・利用者の人数が増えても、追加料金の発生はありません。
まもる君クラウド
「まもる君クラウド」は、介護請求・介護記録・プラン作成・売上管理・国保関連の連絡・伝達など、介護事業の現場で必要な機能がすべて備わった介護ソフトです。
さらに、厚生労働省が取り組む「LIFE」 (科学的介護情報システム) 完全対応であるため、各業務でソフトの使い分けをする必要もなく、必要な機能をすべてワンストップで活用できるのもおすすめポイント。
勤怠・シフト管理ツール
介護・福祉の事業所では一般企業とは異なり、基本的に24時間体制の業務で複数の拠点で勤務することもあるため、職員のシフト管理が複雑になりがちです。
勤怠・シフト管理ツールを導入することによって、シフト作成・勤怠状況・休暇申請をすべて自動化され、管理業務にかかる時間や労力を大幅に軽減できます。職員の働きやすさが向上し、離職防止対策としても役立てられます。
ジョブカン勤怠管理
ジョブカン勤怠管理は、シンプルな操作で使い勝手の良いクラウド勤怠管理システムです。一般企業をはじめ、医療・介護・福祉・保育関連の事業所でも導入事例が豊富です。
タイムレコーダーはPC・モバイル・ICカード・生体認証など多彩な打刻方法に対応しており、職員の就労状況や職場環境に応じて選ぶことができます。その都度リアルタイムで反映されるため、タイムカードから転記作業を行う必要はありません。
社会保険労務士の監修による多彩な機能が備わっており、「働き方改革法」にも対応しているため、有休管理もスムーズにできます。
KING OF TIME
KING OF TIMEは、勤怠管理から人事労務・給与・データ分析・システムログなど、各種企業や社会福祉法人の運営で必要な機能がすべて搭載されたクラウドシステムです。
打刻方法はPCパスワード認証・モバイル・クラウドタイムレコーダー・アプリ・ICカード (PC接続・専用端末・携帯)・指紋 (PC接続)・指静脈 (PC接続)・顔認証 (iPad専用)など、職場環境や利用シーンに応じて選択できます。
初期費用0円、月額料金は1人につき330円 (税込)のリーズナブルな料金体系で、最低利用人数・最低利用期間の縛りはありません。チャット・メール・オンラインヘルプ・事前予約制の電話またはオンライン (1回あたり30分程度) によるサポートは無料です。公式サイトから30日間無料体験の申し込みができます。
請求業務・会計管理ツール
介護施設の利用料金の請求や介護報酬などの会計処理は複雑で、専門的な知識が要求される作業です。事務作業の負担が大きく、ちょっとした計算ミスで請求額や介護報酬の金額が大きく変わることもあります。
請求業務・会計管理ツールを新たに導入することで、入力・チェック作業がスムーズになり、計算ミスを防止し、会計業務の効率化を実現できます。
Care-wing(ケアウイング)
Care-wingは、訪問介護・訪問看護・デイサービス・障がい福祉・サ高住・定期巡回サービスなど、医療・介護・福祉事業の現場で幅広く活用されているクラウドシステムです。LIFE (科学的介護情報システム) に完全対応しており、身体的な状況が一目で把握できるアセスメント画面、計画書からの取り込みで自由自在に編集が可能なモニタリング機能など、直感的な操作で使いやすいのが魅力。
専用のICタグにスマホをかざすだけのシンプルな操作でスムーズにログインできるため、IDやパスワードを覚える必要もありません。訪問介護の特定事業所加算要件 (指示・報告・申し送り) にも対応可能です。厚生労働省のガイドラインに沿った指示一括管理機能を活用することで、責任者が不在の日でも事前に指示を出すことができます。
介護などの記録は5年以上自動的に保存される仕組みです。紙でデータ出力が必要となった場合は、必要なものだけをプリントアウトできるため、記録用紙のコスト削減効果も期待できます。
freee会計
freee会計は、一般企業から社会福祉法人・個人事業主まで幅広く使われているクラウド会計ソフトです。初回は30日間無料のお試し期間があります。
基本的な会計業務から消費税申告・確定申告 (e-Taxとの連携による電子申告など) ・銀行やクレジットカードの明細取得・税務調査サポートなど、契約するプランによって使える機能が異なります。
領収書を読み込むだけで自動的に仕訳され、収支の状況を知りたい時にいつでも把握できます。
社会福祉法人の代表的な導入事例をひとつ挙げると、保育・障がい福祉事業を展開する和歌山県の社会福祉法人ではfreeeの導入で全国84施設の事務作業時間が年間1,280時間削減されました。
社会福祉法人の導入事例「全国84施設への展開で年間1,280時間を削減!システム操作が苦手な職員でも使えるfreeeのスマホアプリ」
マネーフォワードクラウド
マネーフォワードクラウドは、請求書発行・経費精算などの請求・会計から給与・人事労務・法務・確定申告に関わる多彩な機能が搭載されたクラウドシステムです。「マネーフォワードクラウドの導入で、帳簿作成にかかる時間が月2時間削減された」など、活用事例が豊富です。
初回は1ヶ月間の無料トライアル期間が設けられており、クレジットカードの登録不要で始めることができます。
マネーフォワードクラウド「導入事例一覧」
連絡・情報共有支援ツール
介護・福祉事業の現場では、職員間での引き継ぎ業務や入所者の家族との連絡のやりとりなど、コミュニケーションが重要となります。
連絡・情報共有支援ツールを活用すれば、重要な連絡事項の伝達や出欠の管理がスムーズになり、職員同士の連絡のやりとりもリアルタイムで把握できるようになります。情報の共有が可能となるため、連絡漏れや伝達ミスを未然に防ぐこともできます。
CoDMON(コドモン)
CoDMONは、全国各地の保育所・保育園・幼稚園・児童発達支援施設・放課後等デイサービス・学童保育・自治体・公立施設など、保育・教育事業の現場で幅広く利用されている業務支援システムです。導入実績は2025年9月1日時点で22,862施設、導入後は手厚い電話サポートで安心して活用できます。
CoDMONには保護者連絡・業務連絡・登降園 / 入退室・シフト管理・勤怠管理・記録 (発育・健康・身体測定) 請求管理・集金支援・口座振替代行・帳票作成 (指導計画・日誌など)・動画配信などの機能がすべて備わっています。
初期費用は0円、月額料金は5,500円 (税込) からで初期費用は無料、施設の状況や利用人数によって料金が決まります。
見守り・IoTツール
高齢者を受け入れる老人ホームなどの介護施設では、徘徊が重症になると施設を抜け出して外出し、行方不明になるケースも稀ではありません。職員で施設内の巡回を強化しても、完璧な監視体制を整えるのは難しい状況です。
見守り・IoTツールを導入すれば、高精度なカメラやセンサーで入所者の行動を検知し、異常が発生した場合はすぐに職員に通知される仕組みです。
まもる〜の(MAMORUNO)
まもる~のは、ベッドなどの場所に設置して施設入所者の起き上がりや寝床から離れる時の状況を検知・監視する見守りセンサーです。老人ホームなどの介護施設で設置することで、足腰の弱い高齢者の転倒事故を未然に防ぎ、職員の巡回業務の効率化を実現できます。
入所者の身体にセンサーを装着する必要はなく、工事費用は無料です。エアバッグセンサー (布団の下に敷く) と、たまごのような形状の環境センサー (ベットフレームに取り付ける) で、入所者の安全を優しく見守ってくれます。必要に応じてカメラ機能をオプションで付帯することもできます。
社会福祉法人でIT補助金(IT導入補助金)を利用するときの注意点・Q&A
IT導入補助金はソフトウェアやITツールの導入費用の一部をサポートしてもらえる便利な制度ですが、申請手続きや運用にあたってはいくつかの注意ポイントがあります。
とくに社会福祉法人が注意すべきポイントや疑問点をQ&A形式にまとめてみました。
- 社会福祉法人では、どんな悩みの場合に活用できている?
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多くの社会福祉法人が以下のような問題に直面しています。業務改善に向けてIT導入補助金を活用して業務課題を解決し、業務改善を実現しています。
・事務作業の負担が大きい
介護記録ソフトを新たに導入して手書き作業からタブレット入力に移行し、1日あたりの記録時間を大幅に削減・勤怠管理やシフトの作成作業に時間と労力がかかる
勤怠管理システムを導入してシフトを自動的に調整して可視化・複数の職員での情報を共有したい
クラウド型の情報共有ツールを導入して連絡ミスを減らし、業務引き継ぎがスムーズになった・請求業務など経理作業に時間がかかり記入ミスや計算ミスが多い
請求管理システムや会計ソフトを導入して作成・チェック作業の工程を自動化。経理担当者の作業負担が軽減され残業時間が減らせるようになった社会福祉法人が運営する介護・福祉の現場では、IT化・DX化の遅れが深刻な問題となっています。インボイス対応が進まないケースや、予算が限られていて古いシステムを長年続けているケースも稀ではありません。「どんなシステムを導入すれば課題が解決できるのか」「何から着手すべきなのか」といった不安や疑問が多く、デジタル化を進めるのが難しい状況です。
社会福祉法人がIT導入補助金を活用する際には、IT導入支援事業者や中小企業診断士などの専門家に相談して、適切なアドバイスを受けておくことが課題解決の糸口となります。 - 社会福祉法人では、申請枠の中でどれを選べばよい?
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社会福祉法人がIT補助金で使える申請枠は通常枠・インボイス対応類型・セキュリティ対策枠の3種類です。各法人が抱える業務課題や目的によって、どの申請枠を選ぶかが大きく変わってきます。
・通常枠
勤怠管理・会計などの業務をデジタル化することで業務効率化を実現したいなら適しています。・インボイス対応類型
会計・請求書発行をインボイス制度に対応して業務を整備することが目的である場合に適しています。・セキュリティ対策推進枠
セキュリティ対策を万全に整えて安全な運用を維持し、利用者や取引先からの信頼を確保したい事業者に適しています。 - 社会福祉法人がIT導入補助金に申請する際の必要書類は?
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社会福祉法人や一般企業などの法人の場合、全枠共通で交付申請に必要な書類は以下のものがあります。
・履歴事項全部証明書
※登録申請日からさかのぼって3ヶ月以内に発行されたものであること【良い例】登録申請日が2025年9月17日の場合は2025年7月20日発行のものは可
【悪い例】2025年6月10日発行の場合は3ヶ月以上経過しているため不可・法人税の納税証明書【その1またはその2】
※直近分のもので税務署から発行されたものに限定
※電子税納税証明書はPDF形式で発行されたフォーマットのみ有効 (XML形式の納税証明データシートなどは不可)IT導入補助金の通常枠で、最低賃金に近い従業員を多く雇用している事業者が補助率2/3以内の適用を希望する場合は、上記の書類と合わせて「賃金状況報告シート」の提出が必須となります。提出の際にはExcelフォーマットでダウンロードしたものをExcelファイルのままで添付します。
セキュリティ対策推進枠で申請する場合、任意で「取引先一覧記入リスト」を提出すると、サプライチェーンへの寄与度の観点から審査で加点対象となります。
「サプライチェーンへの寄与度の観点」とは「自法人で取り組んでいる事業が取引先や他の事業者に対してプラスの影響を与えているか」を見る視点です。「取引先一覧記入リスト」を提出することで、「安全で着実に取引ができている」と評価されやすいです。
「取引先一覧記入リスト」の対象となる取引先とは、商品や役務の仕入れ先・販売先・業務の委託先などがこれに含まれます。IT導入補助金の場合、「役務の仕入れ先」の具体例を挙げると、依頼先のシステム保守・運用サービス・研修・コンサルティングサービスの事業者などがこれに該当します。
- 社会福祉法人の補助金活用事例は?
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社会福祉法人におけるIT導入補助金の活用事例には、以下のものがあります。
●埼玉県さいたま市の介護施設
スクロールできます事業者名 (所在地) 社会福祉法人三恵会(埼玉県さいたま市西区中釘) 事業内容 ・特別養護老人ホーム運営
・デイサービスセンター運営
・在宅介護支援センター運営従業員数 – ITツール導入前の事業課題・動機 ・介護記録ソフトが古く、使い勝手が悪くなったため、サーバー更新時期に合わせて新しいソフトの導入を検討した
・以前から取引しているIT関係の運用・保守サービスの会社からの提案でIT導入補助金を活用申請枠 IT導入補助金2022 通常枠(B類型) 補助金活用で導入したITツール 介護現場に特化した管理・記録システム ITツール導入後の効果・変化 ・新しいシステムにスムーズに移行できた
・タブレットとの連携操作が可能で使い勝手が良くなった
・1人あたり10分から20分程度の作業時間が削減できた参考サイトURL 施設運営マネジメントのデジタル化で業務負担軽減
https://it-shien.smrj.go.jp/applicant/example/sankeikai●群馬県前橋市の保育施設
スクロールできます事業者名 (所在地) 社会福祉法人清香会 大胡第3こども園 (群馬県前橋市) 事業内容 保育施設の運営・子育て支援事業 (一時保育・休日保育・「群馬県ふくし総合相談支援事業」・元気保育園子育て応援事業) 従業員数 88名 ITツール導入前の事業課題・動機 ・職員の勤怠管理は管理職がタイムカードと出勤簿を突き合わせて、日々労力を割いていた
・園児の登園・降園時には職員がPCと手書きの二重チェックを行っていたが、登園・降園時間では保護者との認識にズレが生じていた申請枠 IT導入補助金2020 特別枠 C類型-2 補助金活用で導入したITツール シフト・勤怠管理のICTシステム「保育士バンク!コネクト」 (旧名称 : キズナコネクト) ITツール導入後の効果・変化 ・データ入力用のタブレットやITツールと連動したカードリーダーを導入したことで、従来の紙のタイムカードからICカードに切り替え、職員と園児全員分のICカードを作成
・保護者にICカードで登園・降園の時間を記録してもらうことにしたことで園児の登降園時間にまつわる認識のズレが解消された
・勤怠管理のICTシステムを導入したことで出退勤管理がスムーズになり、全職員がITツールで出退勤・休暇申請ができるようになった
・労務管理にかかる作業時間が7割削減されたことで、園児と接する時間が持てるようになり保育の質が向上した
・教育・保育に注力できるようになり、職員のモチベーションもアップした参考サイトURL https://it-shien.smrj.go.jp/pdf/article/jirei-ogo.pdf
IT補助金(IT導入補助金)を活用するなら株式会社アップグレードへ
この記事では、介護の現場や障がい者支援施設・児童福祉施設などの社会福祉法人でIT導入補助金を活用する方法について解説しました。
IT導入補助金を活用することによって、介護・福祉の現場では事務作業の業務改善と職員の負担が軽減されます。その分、入所者や利用者に職員の目が行き届くようになり、施設内での業務品質の向上と安全な運営に繋がります。
・勤怠管理やシフト管理システムの導入で職員の勤務状況を一元化して働きやすさを実現
・クラウド会計・請求システムの導入で経理業務の負担を軽減
・IoT見守りシステムの導入で入所者の健康状態や安否をスムーズに把握
補助金活用について、このような問題を抱えてはいませんか?
- どの補助金制度を選んだら良いのかわからない
- 業務効率化やサービス品質向上の目標は定まっているが、どのITツールを選べば良いかわからない
- システム導入後の保守管理まで依頼したいリスト
補助金活用にまつわるお困りごとがありましたら、株式会社アップグレードへどうぞお気軽にご相談下さい。IT業界で創業20年の実績と幅広い知見から、社会福祉法人が抱える事業課題を洗い出し、丁寧なコミュニケーションで最適なITツールを提案します。
アップグレードでは、IT事業におけるこのようなサービスを提供しています。
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- システム開発・運用・保守・管理・セキュリティ対策
- Webマーケティング (SEO対策・アクセス解析・Web広告運用など)
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